歯をできるだけ削らないようにするためのう蝕判別法「ケスラーズシステム」
ケスラーズシステムは欧米6000以上の歯科医院が導入した虫歯治療で健全な部分の歯を削らないようにするためのう蝕判別法のひとつです。
1、診断
蛍光反応を利用し、虫歯菌のいる所だけを感知して数値化できる特殊なカメラを使います。赤→オレンジの色になるほど菌が多く、虫歯も深いことを意味しています。
2、方法
3DSで用いられているリテーナー(マウスピース)を利用して殺菌します。顕微鏡検査して、その人のお口の中の状態の菌を明確化させてから行います。ただマウスピースは未就学前のお子様にはできません。
3、補給・接着
充填剤は歯と強力な接着力をもつ材料を用います。歯の表面と化学反応を起こして、くっつくので剥がれません。
4、確認
同じ部位をカメラで撮影し、虫歯菌が減り、接着修復が確実に行われているところを確認します。下図の Before⇒After の写真を見て下さい。虫歯菌が多くいる赤の部分が消えていることに注目して下さい。リテーナー(マウスピース)があれば、さらに追加の薬剤を作用させて、歯を強く長持ちさせることができます。
5、削られた歯の運命
歯をドリルで削るとどのようになっていくのでしょうか?削ったあとは金属をセメントでつけます。しかし以下の表を見て下さい。赤く囲った部分を見て下さい。金属を接着するセメントはこの比率で自然に溶解していくのです。製造メーカーの公表値です。
金属のうち、特にアマルガムは金属自体が溶解し、表面がハチの巣状になります。溶出イオンの体内毒性の問題もありますが、下の写真を見て下さい。溶出している金属の表面を蛍光カメラで見てみると巣穴に細菌が入り込んで、真っ赤になっています。この細菌が出す酸で、また金属の溶解が進むという悪いサイクルが出来上がってしまうのです。
このように一度削って金属を被せると、数年おきに次々と歯が悪いステップへと落ちていくことになってしまうのです。